BLOG

Vol.5 信濃国一之宮 諏訪大社四社巡り(下社編)


BLOG
Home » BLOG » Vol.5 信濃国一之宮 諏訪大社四社巡り(下社編)


 全国に約25,000社ある諏訪神社の総本社信濃国の一宮
長野県の諏訪湖の北部に位置する「春宮」「秋宮」の下社。南部に位置
る「前宮」「本宮」の下社の四社を総称して諏訪大社と呼びます。

 急な斜面を大きな丸太に乗って滑り降りる全国的にも有名な奇祭「御柱祭おんばしらさい」を開催する神社でもあります。









今回のルート

今回の旅は新潟市から出発して国道8号に沿ってまっすぐ進み、十日町を通過して野沢温泉で小休憩をします。
 長野市の市街地に入ってからはスピードが上がらずにタイムロス。出発から5時間ほどで諏訪湖の北部である諏訪大社の下社春宮へ到着いたします。

今回は春宮→秋宮→前宮→本宮の順で参拝を行います。
諏訪湖を囲むように四社が建てられているんですね!


氏神様

 実は私の実家の近くにも小さな諏訪神社が存在し、幼いころから軒下に入って遊ぶほど馴染みのある神社でした。総本社が存在することを知り、いつの日かその総本社へ参拝を行いたいと考えていました。

 私の故郷である新潟県には約900社の諏訪神社が存在し、その数は全国で最多だそうです。また長野県と新潟県には大みそかの深夜に新年の年を跨いで参拝をする「二年参り」という変わった風習があり、地元の住民は全国的に行われている風習だと勘違いしています。

 最近神社に関心を持ち始めて、県外出身者の方に伺ったところその事が発覚いたしました。新潟県と長野県の結びつきや、自身とのご縁を紐解きながら参拝に伺う事になります!








信濃国と諏訪信仰

 新潟市の中心地を通って日本海に注いでいる日本一の大河で、元々は信濃国の河川という意味であるはずの信濃川の源流は長野県にあります。

 「信濃国」とは律令制時代からの呼び名で長野地方のこと示す言葉です。また、「信濃」という言葉の語源を調べていくと、長野県に多く存在した「科(シナ)の木」が語源であるらしく、その「科」とは元来、「罪」や「咎」という意味であるそうです。人の罪を背負って罰を受けたキリスト様も宗教や神を示唆する存在であるという事で何か日本の神道と繋がりがあるのでしょうか。










諏訪大社独自の風習「御柱

 日本三大奇祭の一つ諏訪大社の「御柱祭」。諏訪大社四社の一社ずつの周囲に四つの巨大な柱を立てるために山からもみの木を伐り出し、山の急斜面を滑り降りる危険な場面が象徴的な諏訪地域に伝わるお祭り。

 諏訪大社の御柱は元来、一般的な神社の本殿と拝殿にあたる諏訪大社の「幣拝殿」の周囲を4つの柱で囲んでいる。社殿の周りに柱を立てる意味については諸説あり、元々あった宮殿の柱である説、結界を張るためである説などがあるが、私が注目したのは「世界は4本の柱でできている」という説です。「柱」とはもともと神様の数え方で世界を4柱の神様で支えていると考えると、キリスト教、仏教、イスラム教の世界三大宗教にもう1柱加えると4つの柱と考える事が出来ます。その残りの一柱はどちらの宗教か…というのは我ながら興味深い考察なのではないかと思っています!












信濃国一之宮 諏訪大社 下社・春宮





ご由緒ご祭神

場 所:長野県諏訪郡下諏訪町193
御祭神:建御名方神(たけみなかたのかみ) 
    八坂刀売神(やさかとめのかみ)


建御名方神と八坂刀売神は夫婦神で、春宮ではどちらも御祭神として祀られていらっしゃいます。

諏訪大社は本殿や拝殿という概念がなく、御神木が拝殿の奥に鎮座しています。日本でも最も古い神社の一つとも謳われているのもこの様式を取っているからであるというお話です。












宮とは

ある地域の中で最も社格が高いとされる神社のこと。信濃国で最も格式が高いとされる神社が諏訪大社。

もう少し詳しく

 平安時代から鎌倉時代にかけて、各地域(一国、一郡、一郷など)で最も由緒があり、第一位とされた神社のことです。朝廷や国司が特に指定したものでなく、諸國において由緒の深い神社、信仰の篤い神社が勢力を有するに至って、おのずから神社の序列が生じ、その最上位にあるものが「一の宮」とされ、以下二の宮・三の宮・四の宮と順位がつけられました。信仰が篤く、人々から敬愛された神社が自然に「一の宮」と呼ばれたことが始まりです。

 「全国一の宮御朱印帳」という御朱印帳が存在し、全国にあるすべての一之宮を巡って御朱印を受ける旅に出られる方もいらっしゃるようです。私も一之宮、総本宮を中心に神社巡りの旅を続けています。











建御名方神たけみなかたのかみとは…

建御名方神

大国主命の息子で、武運に優れた神様。

武甕槌大神との闘いが相撲の起源となった

 出雲大社の御祭神の 大国主大神おおくにぬしのおおかみの息子の一柱で、大国主大神と共に国造りを行った、勇武に優れた者という意味の名を持つ神様

神話では勇猛さが際立っています。日本神話では国譲りの神話に登場します。

もう少し詳しく

 日本の最高位の神様である天照大御神は、地上を平定する大国主大神から国を譲るように天界から使者を使わせました。大国主大神の息子である建御名方神天照大御神あまてらすおおみかみの使者であるこのブログのVol.3でご紹介した、武甕槌大神に国譲りを迫られます。どちらも勇武に優れている神様であり、この時の力比べが現在の相撲の起源であると以前お話をいたしました。

 しかし、建御名方神は武甕槌大神には歯が立たず、この土地を譲ると約束して信濃の地(現在の諏訪)に逃れ諏訪大社へ祀られるきっかけとなりました。













春宮一之御柱

鳥居をくぐってまっすぐ進み、幣拝殿の両側にそびえたっているのがこの御柱。この御柱が神社の四隅に立っています。訪れた時には他の神社では目にすることがない、不思議な光景が目の前に広がります。














万治の石仏

 境内から離れ、朱塗りの浮島橋をわたり、歩くこと3分。田んぼに囲まれ鎮座しているのが万治の石仏です。芸術家、岡本太郎氏が「世界中歩いているが、こんなに面白いものは見たことがない」と絶賛しました。


 大鳥居を奉納しようとした際に、石工がこの地にあった大きな石にノミを打ち入れたところ、血が流れ出たので、驚き恐れた石工は大鳥居の造作を止め、この不思議な石に阿弥陀様を刻み建立したのがこの石仏だと伝えられています。万治3年(西暦1660年)と刻まれていることから万治の石仏と称されるようになりました。












おんばしら館 よいさ

 7年に一度、御柱祭が開催される。春宮、秋宮、前宮、本宮の四社の社殿の四隅に計16本の柱を立てる壮大なお祭りです。奥山からもみの木の大木を切り出し、人の力のみで曳行し斜面を滑走する姿が有名で、近頃は頻繁には報道されなくなりましたが、20年ほど前までは幾度かテレビの報道で目にする有名なお祭りでした。

柱となる樹木を切り出すのこぎりでしょうか。伝承館である「おんばしら館よいさ」の展示です。








   

伐り出した柱を引くための綱です。祭りのために綱を作成するところから神事は始まっているんですね。














斜面を滑走している様子。丸太にまたがって全員が山の斜面に転げ落ちる様が非常に豪快なお祭りです。死者が出てしまうという事で幾度自粛や規制が厳しくなったと報道されていたことを耳にしたことがあります。

下社春宮

長野県諏訪郡下諏訪町193
TEL:0266-27-8316

アクセス
JR下諏訪駅から1.2km
下社秋宮まで1.2km











信濃国一之宮 諏訪大社 下社秋宮

場 所:下社秋宮長野県諏訪郡下諏訪町5828
御祭神:建御名方神(たけみなかたのかみ)
     八坂刀売神(やさかとめのみ)







春宮から車で5分程足を伸ばして諏訪大社の秋宮へ訪れました。非常に近い場所に鎮座しています。

春宮よりも少し高台に位置していて境内の敷地も若干広いのが特徴です。見どころとしては温泉の沸く手水である御神湯や、宝物殿のしめ縄でしょうか。御朱印帳を社務所に預けてさっそく参拝に向かいます。

こちらの秋宮も本殿がなく、本来は参拝をする場所である拝殿と御神体が祭られている本殿とを併せた弊拝殿と呼ばれる珍しい様式がとられています。早速一の鳥居へ向かってみましょう!!













こちらが秋宮です。春宮よりも少し高台に位置していて、この右側に20台程度停められる駐車場とお土産物屋さんがあります。神様の存在を恐れることなく、駐車場の奥側へ駐車いたします。職場の方へおんばしらを模った焼き菓子を購入していざ参拝へ参りましょう。











こちらが秋宮一の鳥居です。金属でできた鳥居ですね。

こちらへ訪れた頃は「御神氣」という言葉を知ったばかりで、その御神氣に触れると好転反応でめまいがしたり、気分が悪くなったりすることがあると伺いました。

春宮を散策していた時からメガネの度が合わないことを感じながらここまで辿り着きました。どうやら氣に当たっているのかもしれません。この地に通っている磁場が身体に影響をもたらしているという噂もうかがったことがありますが不思議な感覚でした。














秋宮の神楽殿です。

この太いしめ縄に注目してください。かの有名な出雲大社は太いしめ縄が特徴的なですが、実は諏訪大社のしめ縄も大変立派です。

なぜかというと、上述しましたが出雲大社のご祭神である大国主命の御子神(息子さんですね)が諏訪大社のご祭神である建御名方神なので、この様な立派なしめ縄が施されているそうです。

  











ご神湯

神社でも珍しい温泉の出る手水です。龍神様の顔もなんだか熱そうな顔をされています笑

実際に手を触れると熱いとは感じませんでしたが、大変温かい温もりを感じました。














秋宮のさざれ石

秋宮にあるさざれ石です。諏訪大社にあるのはこちらにあるさざれ石だけかもしれません。

以前ご紹介した鹿島神宮にもさざれ石が安置されていましたが、こちらも国家の歌詞に登場する細かい石灰岩がくっついて大きな岩となり苔が生えている状態ですね。

さざれ石とは

 細かい石灰石が長い年月をかけて雨水で溶解し、ひとつの大きな岩の塊になったもの。日本国歌にある「さざれ石の巌となりて苔のむすまで~」とは小さな石が一つの大きな岩になって苔が生えるまで長く繫栄しますように、との願いの込められた歌。










御神氣を感じた摂社

 実はこの摂社に近づくとめまいが強くなり、背負向けるとめまいが軽くなる気がしました。また、車に乗車すると治まるのが不思議でした。


下社秋宮

長野県諏訪郡下諏訪町5828
TEL:0266-27-8035 

アクセス
JR下諏訪駅より0.8km
春宮より1.8km











山猫亭 大社通り店

 秋宮を参拝した後には近くのお蕎麦屋さんにて信州長野のおそばを堪能いたしました!初めてご神氣を感じたなぁ~と感慨深げにお蕎麦屋さんの暖簾をくぐると「御新規様一名様いらっしゃいました!」と威勢の良いお出迎えをいただきましたニヤリ


 今回感じた氣は「御神氣」ではなかったとしても、少なくとも私が蕎麦屋の「御新規」であったことには間違いないのではなかったようです!!笑







しっかりとこしのある程よい少し細めのお蕎麦を噛むと、そば粉の香りが香ってきます。程良いテンポでお蕎麦をすすっていると、伸ばす手が止まりません。薬味と一緒にそばを堪能しましたが、お腹いっぱい食べられないのはお蕎麦をいただくときの欠点。物足りなさを少し感じながら店舗を後にしました。

山猫亭 大社通り店

〒393-0051 長野県諏訪郡下諏訪町大社通5528-1
電話:0266-27-8192



まとめ

 お土産を購入し、信州そばを堪能しながら御神氣様1名様と呼ばれたことに妙な高揚感を覚えながら、次の目的地を目指します!

現在地は諏訪湖北側の「秋宮」。次回はこの地点から諏訪湖の南側の「前宮」「本宮」の順で車で移動いたします。

次回Vol.6では諏訪大社四社巡りの後編、「上社前宮」と「上社本宮」をご一緒に、いざ参ります!!

それでは次回をお楽しみに!!

Vol.10 神社巡りのまとめ1

 前回までの神社での知識のまとめを今回ご紹介をさせてください。 いままで点在していた神社の知識をこちらにまとめました。お時間のある時にご覧ください!! 神社の名前一覧 Vol.3常陸国一宮 鹿島神宮 場 所:茨城県鹿嶋市 […]

Vol.9 参拝の作法その1 

    今回はいつもと趣向を変えて、皆さんと一緒に神社参拝の作法の勉強の旅にお連れしたいと思います!!  神社参拝の方法について今まで私が漠然と行ってきたものから脱却し、自身の考えも踏まえなが らもう少しディープな世界に […]

Vol.8 小網神社

    今回は東京都中央区日本橋にある古社の小網神社へと参拝して参りました。 最強厄除け神社として名高い古社の小網神社へと到着した頃にはお昼を若干過ぎたころで、ちょうどお腹も空いてきた頃に厄除けの御利益を受けた後に腹ごし […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です