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Ep.26 鳥居の種類とは? 鳥居の意味・語源・形状を神社巡り経験者が解説【知識③】

 今回は、「鳥居」について徹底的に解説をさせていただこうと考えております!神社に入ってまず目に入るのが鳥居ですよね。鳥居とは神域と俗世を分ける結界です。鳥居には神明鳥居と明神鳥居の大きく2種類があり、御祭神との関連性も見られます。

 今回は、その鳥居について徹底的に解説させていただこうと考えています。

鳥居をくぐる前に感じること―諏訪四社巡り―

 私は先日、諏訪大社の四社巡りを行って参りました。諏訪大社の大きな青銅製の鳥居の前に広がる表参道には、塩羊羹の老舗である新鶴本店や信州そばの名店、多くの参拝者が憩う足湯が楽しめるスポットなどが立ち並んでいます。鳥居をくぐる前から、旅の高揚感に包まれます。

 そして、一歩鳥居をくぐると空気が変わる感覚があります。賑わいの余韻が静寂へと変わり、自然と背筋が伸びるこの境界を感じられる瞬間こそ、鳥居が「神域への入口」と呼ばれる意味なのだと、神社巡りを重ねるたびに実感しています。


神社の境内に足を踏み入れる前に知っておきたい鳥居のくぐり方と参道の歩き方

➡鳥居をくぐる時は左右どっちの足から?|参道の歩き方を紐解く

  • 1.一の鳥居から三の鳥居まである?意味や配置について
  • 2.神社にある「鳥居」とはどのような意味があるのか
  • 3.鳥居の語源・ルーツに関して3つの有力な説について解説
  • 4.鳥居には大きく分けて2種類ある?鳥居の種類・材質・形状について解説
  • 5.日本で最も大きな鳥居とは?大きさ別で見た「神社の鳥居」
  • 6.千本鳥居とはどのようなものか?

1.一の鳥居から三の鳥居まである?意味や配置について

 一般的な神社において、鳥居が一つあるのが基本です。

 しかし、特に広大な敷地を持つ神社では、二つ以上の鳥居があります。境内の外側にある鳥居から一の鳥居・二の鳥居・三の鳥居と呼び、一の鳥居から順に鳥居をくぐり参道を通って社殿までたどり着くことが出来ます。通常、三の鳥居まであるのが一般的です。

鳥居をくぐった後は、次にこの作法を行います。
必ず抑えておきたい参拝作法はこちら!

➡【参道の歩き方について詳しく見る】

2.神社にある「鳥居」とはどのような意味があるのか?

 鳥居は神域と俗世との境界を示し、神聖な神域を区切る役割があります。また、鳥居をくぐることで参拝者が悪い運気を払い、浄化させるとも言われています。

3.鳥居の語源・ルーツに関して3つの有力な説について解説

鳥居の語源について有力な3つの説をご紹介します

  • 一説には天照大御神にまつわる有名な日本神話である天岩戸の神話にて「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」が止まった宿り木をルーツとする鶏居(鶏の止まり木)であるという説です。
  • 一つは神様が「通り入る」という意味が転じた言葉という説です。
  • もう一説にはインド仏教にみられる「トラナ」と呼ばれる門や海外の建築様式から起源を求める説があります。

どちらの語源が有力?

私は三つ挙げられた語源の中では、天岩戸神話に登場した「鳥が居る」止まり木だった説が最も腑に落ちる通説だと思っています。神域との境にある建築としての存在や建築の様式などにどのような影響があったのかは詳しい記述や記録は残されていないそうですが、天岩戸の神話には三種の神器やしめ縄をはじめとして、現在の神社にまつわる様々な道具や神様が登場される神話です。私の想像を掻き立て、とてもロマンの溢れる説話であると思っています。

4.鳥居には大きく分けて2種類ある?鳥居の種類・材質・形状について解説

材質

木材で作られた「木鳥居」、石で作られた「石鳥居」、金属を用いた「金鳥居(かなどりい)」が存在します。

こちらが木鳥居です。朱塗りの木鳥居も多く存在しますが、こちらの木鳥居は木の材質をそのまま生かして採用されています。

こちらが石鳥居です。以前東京の芝大神宮で撮影したものです。石の種類までは判断できませんが、木で造られたものとも金属で造られたものとも材質が異なります。

日没間際に撮影したので少しわかりにくいですが、こちらの靖国神社で採用されている鳥居は金属を使用して造られています。

・鳥居の形式

日本三景の一つとして名高い「厳島神社」の大鳥居と同様に、柱の前後に補助具のような脚(控柱)が支えている「両部鳥居」(別名:四脚鳥居)を採用しています。名称にある両部とは密教の金胎両部(金剛・胎蔵)をいい、神仏習合を示す名残であると言われています。

私が実際に参拝した神社の中で印象に残っている鳥居は?

 私が実際に見た鳥居の中では彌彦神社の両部鳥居が特に印象的に残っています。新潟県の中では最も敷地の広大な彌彦神社へ訪れたいと思う事が時々あります。拝殿の前で参拝行いたいというよりも、神社の雰囲気を味わいたい、神域の空気に触れていたいと思って参拝に訪れます。その彌彦神社へ向かう道中では、自家用車で大鳥居の下を必ず通ります。運転に注意しながら一礼を行い、圧倒されるような大きさの鳥居をくぐることで、いよいよ神域に足を踏み入れた事を実感します。

「神明鳥居」と「明神鳥居」大きく分けた鳥居の二種類の形式

神明鳥居

 最も一般的で歴史の古い鳥居。上の横柱がまっすぐで見た目も作りもシンプルな鳥居。横柱(笠木)に反りがなく一直線で、二段目の柱(貫)が支柱部分より突き出ていないことが特徴です。

神明鳥居は伊勢神宮などで見られる形式で、笠木が直線的であることなどが特徴です。一方、明神鳥居は笠木が反っているなど、異なる特徴を持ちます。鳥居の形式は神社の歴史や建築様式、信仰などと関係しますが、鳥居の形だけから御祭神やその系譜を断定することはできません。

こちらは天照大御神をお祀りしている「新潟大神宮」の神明鳥居です。横木がまっすぐ一直線で上から二段目の横木も説明のとおり柱から突き出ていません。

明神鳥居

 上の横柱(笠木)が天に向かって反っているのが特徴となる。柱も地面に対して少し傾斜をつけてたてられる。木造で朱塗りであるのが主流。ご祭神が天照大御神の系譜を辿っていないことが多くあります。

 大宮氷川神社の参道の途中に立っている明神鳥居。大宮氷川神社のご祭神である「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」は天照大御神の弟という神格をお持ちですが、神話の上では天照大御神が治めている世界から追放されたため、おそらく神明鳥居ではなく、明神鳥居が採用されているのではないかと思います。

神明?明神?私の私見を交えた鳥居の様式とご祭神の関係

 ただし、鳥居の様式とご祭神の関係が必ずしも一致しているとは限りません。
 神社建築を専門とする研究者の多くは、鳥居の形式は御祭神そのものより、その神社がどのような歴史を歩み、どの信仰・建築文化の影響を受けたかによって決まるとおっしゃっています。
 つまり、天照大御神をお祀りしているために神明鳥居を採用しているとは限らず、明神鳥居を採用している例もあります。
 とは言うものの、私の経験から申し上げると、やはり天照大御神がお祀りされている神社は神明鳥居が多く、「天手力男命」など天岩戸伝説にまつわる神様がお祀りされている神社や天照大御神がお持ちになっていた三種の神器である草薙の御剣がご神体としてお祀りされている熱田神宮などでも神明鳥居が採用されており、天照大御神と所縁のある神社では神明鳥居が採用されている事が多くあります。鳥居からある程度ご祭神との関係を判断できる要素を持っていると私は思います。

細かく分類した鳥居の種類についてのご紹介

 もう少し細かく分類すると神明鳥居(しんめい)・伊勢鳥居・鹿島鳥居・靖国鳥居・明神鳥居・両部鳥居(りょうぶ)・住吉鳥居・山王鳥居(さんのう)など様々な鳥居の種類が存在します。

5.日本で最も大きな鳥居とは?大きさ別で見た「神社の鳥居」

日本最大の鳥居

熊野本宮大社(和歌山県和歌山市)鉄筋コンクリート製・高さ33.9m・平成11年(1999年)建造。

日本で二番目に大きな鳥居

大神神社(奈良県桜井市)耐候性鋼板・高さ32.2m・昭和61年(1986年)建造。総重量180トンの耐候性鋼板で出来ており、1300年の耐久性があるとされ、マグニチュード10の地震にも耐えられる構造となっているといいます。

日本で三番目に大きな鳥居

彌彦神社(新潟県西蒲原郡弥彦村)耐候性特殊鋼製・高さ30.16m・昭和57年(1982年)建造。上越新幹線開通を記念して建造され、建造当初は日本一の大きさを誇っており、額束は畳12枚分にも及びます。

日本一大きな鳥居が建てられている熊野本宮大社は八咫烏にまつわる神社です

➡神社でカラスに出会う意味とは? 心理学的な視点・日本サッカー協会と八咫烏の関係

木造の鳥居としては日本最大を誇っています。

木造としては日本最大の鳥居を誇ります

➡【北口本宮富士浅間神社公式ホームページはこちら】

鳥居のルーツには常世の長鳴鳥にまつわる逸話が有名ですが、神社で出会うと縁起が良いと伝えられる動物が沢山います。神社を訪れる際に幸運を運んでくれる動物たちに会いに行きませんか?

「神様の歓迎サイン・幸福の前兆」

➡神社で出会うと縁起のいい動物7選はこちら

 日本三大鳥居の一つに数えられ、日本で最も有名な鳥居と言っても過言ではありません。主柱には楠の自然木を使用し、控柱には杉を使用しています。

鳥居や参道の歩き方の作法があります。その理由までを徹底解説!

➡【鳥居のくぐり方と参道の歩き方を解説】

6.千本鳥居とは?

 京都の伏見稲荷大社をはじめとして、特に全国各地に存在する稲荷神社には幾重にも鳥居が連なっている「千本鳥居」が存在します。その千本鳥居には一体どのような意味があるのでしょうか。

1) なぜ鳥居が「数多く」連なっているのか

 特に稲荷信仰では「商売繁盛」「家業繁栄」を願って企業や個人が鳥居を奉納した結果このような数の鳥居となりました。


2) どのような神社に見られるか

 千本鳥居が存在するのは「稲荷神社」であると考えていただいて構いません。

 稲荷神社は全国に3万社存在します。その稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社(京都)をはじめ地域の稲荷社、摂社や末社に存在します。


3) 色や構造・宗教的意味

 赤(朱)は古来、火・太陽・生命を表し、魔除け・災厄払いの力があると考えられ、朱の塗料には防腐効果があり、木製の鳥居の保存にも都合が良く実用的であったようです。


※学術的には諸説あり、完全に定説化された説明は一つとは言えません。


参考文献

  • 『日本書紀』
  • 伏見稲荷大社公式サイト
  • 神社本庁公式サイト

■この記事について

本記事は実際の参拝体験と現地で撮影した写真をもとに作成しています。
歴史的事項や神話の解説などについては上記資料を参考にしています。

参考資料・参考文献

・神社本庁「鳥居について」
 鳥居の役割、起源に関する諸説、神明鳥居・明神鳥居など代表的な形態について

・神社本庁「境内について」
 神社境内における鳥居の位置づけと、起源に関する説明

・國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、1994年
 神道・神社に関する専門事典。鳥居を含む神社建築について参照

・前 久夫『寺社建築の歴史図典』東京美術
 鳥居の形態や建築的特徴を確認するための専門資料

・近藤豊『古建築の細部意匠』大河出版
 鳥居の部分名称や分類について参照

・国立国会図書館レファレンス協同データベース「鳥居を建てるのに、参考になる資料はないか。」
 鳥居に関する専門資料をまとめた文献案内

 いかがでしたでしょうか。今回は鳥居について詳しく解説いたしました。理解していたようで、していなかったこともたくさんあったのではないでしょうか?

次回は鹿島神宮にお祀りされている日本屈指の武神である「武甕槌大神」のご由緒について解説いたします!
それではいざ、神代の世界を巡る旅へ参ります!

鳥居について解説した後は神話において武力を誇示して日本の礎を開かれた神様の解説をご覧ください

➡武甕槌大神——武力を誇示して国譲りを果たされた武神|鹿島神宮のご祭神

ペンギンが鳥居について解説していらっしゃいます♪こちらの動画もどうぞご覧ください。


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 このブログを運営する「norio.online」は、サッカーの選手として12年・指導者として5年間の経験があります。日本サッカー協会のシンボルである八咫烏への関心をきっかけに神社と日本神話の世界へ引き込まれ、以来10年にわたり新潟市を拠点に神社の参拝に対して記録し続けています。熊野三山をはじめとする神社への一次取材と、神話・民俗学への学びながら「神社参拝をもっと深く楽しむための知識」を発信しています。現地参拝の記録はX・Instagramでも発信しています!

※記事制作では、実際の参拝経験と自分で撮影した写真を軸に、神社公式サイト・神社本庁・神話原典等を確認したうえで執筆しています。AIは文章やイメージ制作の補助として使用する場合がありますが、神社の事実情報については出典確認を行っています。

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